骨転移の痛みに対する6つの治療・疼痛緩和方法まとめ
がんが骨に転移すると非常に強い痛みを伴います。痛みが強くなると活動することも困難になりますから、骨転移がわかったらなるべく早く、できることはやった方がいいと思うのです。
骨転移の治療または痛みを和らげるための方法として考えられた方法は以下の5つです。
1.抗がん剤治療
がん研有明病院の主治医の話では、骨のがんに対する積極的な治療方法というのはなく、基本は痛みを抑えるような対症療法になるとのことでした。ここで医師が言う対症療法とは後述する放射線治療、ゾメタのことと思われます。
がんに対する積極的な治療というのは原発がんに対する抗がん剤の使用のみであるというのがいわゆる西洋医療を行う病院での標準的な見解です。
しかしそれはあくまで西洋医療という枠の中での標準見解です。偉いお医者様が言うことが絶対とか思ってたら他の選択肢が見えなくなります。狭い枠に囚われずに考えるほうが健全思考ではないでしょうか。
3.放射線治療
がん細胞のある箇所に対して放射線治療を行うことで照射部位のがん細胞を消滅させたり減少させる効果があり、痛みの軽減が期待できます。
一方副作用として疲労感、だるさ、食欲不振、皮膚の赤み、かゆみ、吐き気、下痢、口内炎、口腔乾燥、脱毛といった症状が出る場合があります。
母の場合は1クール10回行う予定でしたが、副作用で吐き気とだるさが強く10回まで行うことができず8回で治療を終了しました。
放射線治療と並行してハイパーサーミア(温熱治療)を行うと放射線治療の効果が上がると言われています。
また、サイモントン療法(心理療法)も放射線治療の効果を上げるのに有効だと考えられます。
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3.ゾメタ
母が骨転移がわかったときに一番初めに受けた治療がゾメタでした。ゾメタは骨折予防や痛みの軽減の効果があします。ゾメタに関してはこちらの記事で詳しく書いています。副作用は特にありませんでした。
このゾメタは悪くなかったように思いますが、最初の1回だけでその後は医師からゾメタをという提案はなかったのがなぜなんだろうなあと思いますが理由はわかりません……。
4.オキシコンチン、オキノーム等のモルヒネ
痛みが強くなってくるとオキシコンチン、オキノームといったモルヒネ系の薬を処方されます。またロキソニンも処方され、これが効くことが多かったようです。
これらの薬は疼痛緩和の目的で処方されるため、痛みの根本原因の治療にはなりません。痛みが強くなると容量を増やすことになります。
モルヒネは身体機能を麻痺させる薬ですから、副作用として食欲不振や消化機能の低下、また全身の強い倦怠感などが起こります。
5.びわの葉温灸
びわの葉温灸は民間治療ですが、体内の毒素を分解する機関である肝臓、腎臓とがん細胞のある部位に対してびわの葉の上からもぐさの温灸を行います。びわの葉に含まれるアミグダリンという物質ががん細胞を抑制する効果があると言われ、鎮痛効果も期待されます。聡哲鍼灸院の聡哲先生には痛みがあるときほどやった方が良いと言われました。
実際にやってみたところ、温灸をしっかりやった日は痛みがくる間隔がいつもより空いてオキシコンチンやオキノームの服用量を減らせた日もありました。副作用は特にありませんが体力を使うので患者の体力と相談しながら1回20〜30分で1日2回程度行うのが良いようです。
参考リンク
6.ストロンチウム89
ストロンチウム89という骨をつくるカルシウムと似た性質のある放射性物質を注射により投与することで骨のがん細胞に侵食されたところを選んで叩き、がん細胞を死滅させて痛みを軽減する効果があります。
通常注射後1〜2週間から痛みが和らぎます。
ただし余命数ヶ月以上が期待できる患者であること、ストロンチウム89の治療の前後は抗がん剤を3ヶ月は休む、血液の成分が一定以上の機能が保たれていることといった使用できる条件があります。
参考リンク
最適な治療法の組み合わせを考える
上記の5つの方法を総合的に判断すると以下のような組み合わせが良いのではないかと思います。
抗がん剤治療を行いたい場合
ゾメタ+抗がん剤+放射線治療(+ハイパーサーミア+サイモントン療法)+びわの葉温灸
びわの葉温灸を行うと抗がん剤や放射線治療の副作用を軽減する効果もあるようです。
抗がん剤治療を行わない場合
ゾメタ+ストロンチウム89+びわの葉温灸
いずれの場合もこれと並行して食事療法などで解毒を行うのが良いのではないかと思います。
治療を行っても痛みがまだ強い場合にはオキシコンチンやオキノームなどを服用しないといけなくなるかもしれませんが、身体機能を麻痺させるということは身体の生命力を奪うこと、つまり緩慢に死ぬ手助けをしているようなものですのでがんを治そうという気持ちがあるのならばなるべく麻薬系の薬は減らしいけるようにがんばりましょう。
結局がんを治すってどういうことなの? がん治療のための3つのポイント
がんの治療をしようとネットで調べていると、良いと言われている治療法や食事、サプリメントなどたくさんの情報が出てきます。
良いと言われるものが多すぎて何をやったらいいのかわからないよ!
片っ端からやってみてるけど効果がイマイチ・・・
こんな人も多いのではないでしょうか?
結局のところがんを治すってどういうことなの?
その答えはたった3つのポイントに集約されます。
- 心と身体を解毒する
- 身体の血流を良くする
- 心の中にある余分なものを捨てる
内容的には言ってしまえば1がすべて。2と3は1を少しわかりやすくするためのキーワードです。
どういうことなのかもう少し詳しく説明しましょう。
1.心と身体を解毒する
玄米菜食や食品添加物を取らないなどがん治療に良いとされる食事を見ていくと、最近流行りのデトックスとほぼ内容が共通であることに気づきます。
デトックスとは解毒のことです。
身体の中に毒素が溜まることによりがんができ、一旦大きくなって勢いづくと全身に拡がっていきます。
また、心の中に思考が溜まりすぎて洗い流しきれなくなるのもがんが拡がる原因になります。
- いつも頭をせわしなく動かしてぼーっとする時間がない
- いつも決まってイライラしてしまう出来事がある
- 意識しなくても何度も思い出してしまう過去の出来事がある
こういう状態は心が解毒を必要としているサインです。
毒と言ってしまうとちょっと怖いですが心の中に滞っているものがたくさんある状態です。
身体も心も川のように流れ、古いものは捨て新しいものに切り替わっていくのが理想的な状態です。
2.身体の血流を良くする
血液サラサラというのも最近よく聞く単語ですよね。
血液というのは酸素や栄養素を体中隅々まで運搬する役割を持っています。
この血液がドロドロになってしまうと酸素や栄養素が身体に行き渡らないということになります。
- 甘いものや揚げ物、ジャンクフードが好きで太っている
- 寝ても疲労が回復しないでいつも疲れている感じがある
- 慢性的な肩こりや腰痛、偏頭痛がある
こういう状態は血液循環が悪くなっているサインです。
勉強や仕事などで頭脳労働をしたときに頭がつかれた感じを経験したことがある人も多いと思いますが、実は脳には疲れというのはありません。
人は血液循環が悪くなることで疲労を感じるのです。
がん細胞には血液をドロドロにする作用があり、がんの末期になると合併症で血栓を起こす場合が多くあります。
免疫力を上げる食べ物を食べたり免疫細胞療法を行ったりしても、血液がドロドロで流れが悪くなっていれば免疫細胞もがん細胞に対して効果を発揮することができません。
自己免疫力を100%発揮するためにも血流を良くすることがまず重要です。
3.心の中にある余分なものを捨てる
都市に住み、情報が反乱する中いつも何かを考え何かに追われているような生活の現代人は意識しなければなかなか頭の中を空っぽにするということができません。
あれもやらなくちゃこれもやらなくちゃ
いつもそんな状態じゃありませんか?
全部やめちゃいましょう
これを機に。
がんになっちゃったから治療に専念する
そんな風にがんという病気をうまく使ったらいいと思います。
自分が死んでしまったら自分が今やっていることは誰がどうやるんだろう?
ためしにそう考えてみましょう。
もう今すぐ死んでしまったら、それこそ仕事の引き継ぎなんかもできないわけです。
やらなきゃと思ったことはやらない!
それで自分の中から全部捨ててみて、どうしてもやりたいなって思うことだけをやればいいと思います。
病院だって行きたくなければ行かなくてたっていいです。
やらなきゃ(must)ではなくやりたい(want)で生きましょう!
どうしてもイライラしてしまう出来事とかどうしても消し去れないつらい記憶があったりする場合、自分では解決が難しいこともあります。そういうときには誰か身近な人やカウンセラー、セラピストなど専門家に相談してみてもいいと思います。
困ったときは人に助けてもらいましょう。
過去に起こった出来事でも自分の解釈が変われば心の中に滞ることなく流れていくようになります。
力を抜いて楽に生きられるようになりましょう。
そういう風に生きられたら、自然と免疫力は上がります。
免疫力を上げる食べ物とかも色々あってそれを取るのももちろんいいですが、良い精神状態でいるときの自己治癒力の高さはそれを圧倒します。
がんになってしまったということは
がんになってしまった人に言いたいことがあります。
それは
疲れちゃったんだね、おつかれさん
ということです。
心が疲れたのか身体が疲れたのかは人それぞれだと思いますが、とにかく疲れががん細胞という形で身体に出てしまったということです。
がんを治すということは良く生きるということです。
それも誰かのためではなく自分自身のためにです。
今までよりもずっと気持ちよく生きられるようになったと思ったら、きっとあなたの中のがんは消えているでしょう。
がんを治したらやりたいことをできるではないのです。
楽しく生きてたらがんが治っちゃった!
となるのです。
これに気づいたら、がんになったことを機にあなたの人生はより素晴らしいものになるでしょう。
がんになったあなたに幸運を!
闘病を振り返って②患者本人の心の持ち方について思うこと
がんが発覚した後、私が母の治療に関わるようになったのは特に骨転移がわかったあとでしたが、この骨への転移は母に大きなショックを与え、その後なかなか本来の自分を取り戻せずにいました。
闘病中に私が特にこれはまずいなと思ったこと、闘病を振り返った今こうしておけばよかったと思うことなどをまとめてみようと思います。
闘病中の心の持ち方について思うこと
1.がんを恐れ自身で治療法について調べることが少なかった
骨への多発転移が見つかったとなると予後の見通しは悪く、何か調べようとすれば生存率や起こりうる症状など悪い情報ばかりが飛び込んできて良い情報を見つけるのは困難です。そのことを恐れ、見るのがつらいからと母は自分で治し方などを調べることをしなくなりました。骨転移が分かった時の母の落ち込みがかなりひどかったので、家族も見なくていいよと情報から遠ざけ、調べ物は家族や友人など周りの人達がしている状況でした。
しかしこれは一時的に落ち込みがひどかった時には仕方ないとしても、もう少しきちんと自分自身で調べて考えて向き合うべきだったと今では思います。
悪い情報もこれから起こりうることの可能性の一つです。見るのは怖いかもしれませんが、予め起こりうることを知っておくことでそれが起こった時に心の準備ができていて早めに対処ができるということもあります。
ただし悪い情報ばかりを見ていると気が滅入ってしまいますから、治った人の話を読んで気持ちを鼓舞したりどのように治していくかイメージを作っていくことも重要です。
末期の状態からでも寛解した人はいます。
治るのも悪化するのも同じ一つの可能性です。確率は関係ありません。
自分がどのように行動するかで未来は変わるのです。
2.自分がこれが良いと思う治療法が定まらなかった
効果があると思われる治療法はたくさんあり、多くの人から多くの情報が母のもとに集まってきました。
しかし、母は自分の中でこれだというものを決められずどれも少しずつやっているような感じでした。食事療法にしても私や妹はほとんど同じ内容の食事をするにしても結構楽しんでできていたのですが、母は何だか気が乗らない様子で食事療法を始めていくらも経たないうちに玄米ももう食べたくないと言ったりして、なんであんなにいやいややってる感じになっちゃうんだろうねと私たち姉妹も首を捻っていました。
自分が良いと信じて本気で取り組まなければどんなに良いと言われているものだって効果は落ちると思います。
この自分が良いと思う治療法が定まらなかった原因の一つには上記の自分自身で治し方を調べることが少なかったことがあると思います。
もう一つは、これは後になってわかったことですが母の中には自分への自信のなさがありました。
自分に自信がないゆえに自分の決定に自信を持つことができなかったのです。
3.自分の力で治そうという気持ちになるまでに時間がかかった
痛みや息苦しさが本格的になってきた8月5日、母に今でも誰かに助けて欲しいと思っているかと尋ねました。母は思ってると答えました。
自分自身で治す気持ちがなければがんは治りません。
厳しいこと言うようだけどそんな気持ちでいるんじゃ治らないよと母にも言いました。
がんを治すために100%効果がある治療法なんてない。ウルトラCはないんです。
だからこそ自分で考えなければならないのです。自分ががんになった原因と、今の自分に何が必要なのかを。
この話をした後にようやく母は自分で治さなきゃと奮起して自分を鼓舞するようになってくれましたが、もっと早くにこの覚悟が決まっていればというのは悔やまれるところです。
4.がんになった本当の原因から目を背けようとしていた
8月中旬に聡哲鍼灸院に行った際に、ご自分ががんになった原因は何だと思われますかと先生に尋ねられました。それに対し母は、2、3年前に非常に忙しい時期があったこと、それ以外でも常に忙しく余裕のない日々を送っていたことと話していました。
でもそれに対して聡哲先生は、それも一因かもしれないけれど本当の原因は別のところにあるんじゃないかなあと仰っていました。私も全くそう思いました。
母の心は多くのことに囚われていました。
「〜しなきゃいけない」とか「〜するわけにはいかない」とか。
他人の感情や世間体といった自分以外のものの意向を常に伺う傾向にありました。
自分の外に判断の基準をもつことでどれほど自分自身が苦しくなるか、母は認識していませんでした。
他人を慮ることは美徳です。しかし他人を信じて任せることもまた必要です。
何もかもを自分で抱えようとしたら自分自身が飽和状態になってしまいます。
生まれ持った自分自身の性格を否定するのではなく、むしろ本来の自分自身を再発見することががんの治癒に繋がると私は考えています。
ある時母にがんになった自分自身を赦しているかと尋ねたところ、赦せていないとの答えがありました。
弱い自分自身をも赦し認め愛することが本当に自分自身を大切にし信頼することになります。
真に自分を信じられることで、他人に対して不要な期待や絶望を抱かなくなり、他人を信頼することにも繋がります。
母も闘病の中で確かに自分の中にあった余計なものを徐々に捨て、これらの概念を半ば理解しつつあり、本来の自分を見つけ始めていると感じていました。
しかしがんよる肉体的な症状の方がひどくなってしまい、治癒のプロセスに入る前に命が尽きてしまったことは残念です。
心の問題の解決は特に時間がかかることもあり、がんの拡がるスピードとの勝負の中で焦らずしかし着実に解決していかなければならないというところがこの病気の難しいところだと思います。
5.なかなか死と向かい合うことができなかった
骨転移がわかって以降、特に7月半ば頃からは母がいつも何かに怯えて上の空になっているような感じが気になっていました。
6月か7月に何かやりたいことはないのと聞いても、今はとにかくがんを治したいと言った母に、確かにそれはそうなんだけれどそれ以外に何かないのだろうかと違和感を感じたことを覚えています。
私ならもし自分が死ぬかもしれないと思ったら、やりたいことたくさんあるのになあと思ったのです。
母は自分の余命を聞くことも拒んでいました。
7月末か8月頭か、母がいつも何かに怯えているように見えるけれど、何にそんなに怯えているのか、死ぬのが怖いのかと訊いたところ、その話は今はやめようと言われました。
自分自身が死ぬ可能性があると気づいた時、人は死とは何かを考えるのではないかと思います。
しかし母はがんを告知され、転移を告知され、死が間近に迫っているにも関わらず自分が死ぬ可能性から目を背けようとしていました。
がん患者だけでなく、人は誰でもいつかは死にます。
私だって今日明日急に事故で死ぬかもしれません。
でも死ぬ可能性について考えるからこそ、人生がいつ終わるかわからないからこそ今日この一日、今の瞬間を大切にすることができるのではないでしょうか。
人生は有限だからこそ、自分のできることには限りがあり、無駄なこと自分がやらなくてもいいことは捨てていこうと考えられるのではないでしょうか。
自分の母についてかなり厳しいことをたくさん書いていると思います。
しかし現実を直視して逃げずに解決策を見出していくことこそが、がんから寛解するための糸口になると私は思っています。
物事を成功に導くための方法の一つは試行回数を増やし、失敗を糧に次のチャレンジをすることです。人の命は一つしかありませんから、この母の体験を一つの試行結果として残すことでがん治癒に向けて闘病されている方の礎となれることを期待しています。
闘病を振り返って①治療についての反省点
約1年の母の闘病を振り返ると、やはりもっとこうであったらとか違った決断をしていればと思うことがあります。
これを振り返ったところで母の命が戻るわけではありませんが、失敗してしまった人がなぜ失敗したと思うのかその原因を知ることは今現在またはこれから闘病する方にとっては有益ではないかと思います。
一人でも多くの方が癌から寛解されることを祈って、ここにあえて患者の娘の立場として治療について疑問に思ったことや反省点などをまとめていきたいと思います。
治療についての疑問点・悔やまれる点
1.胃の摘出は本当に必要だったのか
母の胃がんは胃の幽閉部、つまり胃の上部の方にできており、下部ではなくこの部分にできてしまうとリンパに近いのでリンパ節や他臓器への転移があるかもしれないので少しであっても胃を全摘しなければならないと言われました。
しかし胃を摘出すると通常の食事を取るのが難しくなります。食事に制限が出ることは大変にストレスになりますし、食事療法などを行う際にも消化の問題で制約があるため難しい部分が出てきます。
今だからわかることですが、原発巣の癌を切除すると他の臓器への転移リスクが逆に高まります。原発巣の癌があるうちにはなりを潜めていた他の部位のがん細胞が、ボス的な存在である原発がんがいなくなることで活発になるのです。
また一方で、正しく免疫が働くことでがん細胞の増殖を抑えたりがん細胞を消し去ることも可能です。
とはいえ、正しく免疫を働かせるためには全身の血流を良くし(血液サラサラ)、免疫が活発に活動するような良い心理状態になる必要がありますが、がんが発覚してからすぐにそのことを認識してできる人というのはそうそういないのではないかということを考えると、切除しないでそこからどんどん拡がってしまう可能性も否定できず難しいところです。
2.胃切除後のTS-1は使うべきではなかった
胃の全摘出手術の際に脾臓にもがん細胞があることがわかり脾臓も摘出、また摘出後の病理検査によってとリンパ節にもがん細胞があったことがわかりました。そのような状況でしたので、再発予防のために抗がん剤をやるとのことでTS-1の投与を行いました。
しかしこの点については強く思いますが、TS-1は使うべきではありませんでした。
TS-1の奏効率が約10%であることは投与前の医師の説明によってもわかっていましたが、状況を鑑みてやらざる得ないということでした。その件については当時記事を書いています。
TS-1投与後、その副作用で白血球関連の数値が軒並み大幅に下がってしまいました。
2015年1月下旬から投与を始め、母が腰痛を感じ始めたのが翌月の2月。骨転移が発覚したのは5月でしたが症状からいって2月にはもう骨にがん細胞があったと考えられます。後に別の病院の医師にこの流れを説明したところ、2月にもう再発があったのならばそれは胃を摘出した時には見つからなかっただけでもう既に多少のがん細胞が骨にあったと考えられると指摘されました。
母のように原発巣が摘出されても体内の他の部位にがん細胞があることが心配される場合、TS-1をやることで効果があれば良いけれど効果がなかった場合には免疫力を弱めてかえって体内にあるがん細胞を活発化させるのではないかと思いました。
しかもTS-1のがん細胞を殺す作用が効いても効かなくても食欲不振や吐き気などのつらい副作用は出るのです。この薬は効果の上がる可能性の割に副作用と効かなかった場合のリスクが大きいためやるべきではなかったと今は思います。
3.骨転移の発見が遅くなってしまった
上の項で書いたように母は2月頃から腰痛を感じていたのに、2月に検査した時には骨転移の値が高くなかったため大丈夫だろうと3月4月とずっと激しい腰痛を訴え続けていたにも関わらず、骨転移を疑われることなく再度の検査が行われませんでした。
5月にようやく母自身が骨転移の検査をして欲しいと言って検査してもらったところ発見されましたがその時には頚椎から背骨全体まで黒い影が点々としており、もう手術で切除するといったことが不可能な状況になっていました。
これは直接的な医療ミスとは言えませんが、医師の判断ミスで間接的に母の命を縮めることになったと思います。
医師も一人の人間ですから完璧な診断などというものはありえません。
毎日多くの患者を見る中で、その中の一人の命をその患者本人自身より真剣に考えるなんてことはありません。
自分の命を守るための判断は自分でしなければならないと思い知らされた出来事でした。
がん患者さんでもし通常にはない腰の痛みを感じたら、骨転移を疑ってください。早期ならば処置ができます。骨のがんで死ぬことはないと言われていますが、非常に痛みが強くつらいです。どうかなるべく早くに気づいてください。
4.担当医が合わないと気づいた時にもっと早くに転院を決めればよかった
この骨転移の発見の遅れが私たち家族の担当医への不信感の始まりでしたが、この医師はどうも状況を説明するにも患者の心を思いやってくれない心ない発言を繰り返していたようで、病院に行くたびに患者である母も付き添っていた父も落ち込んでいました。
担当医への信頼感を失ってしまった時から、病院を変えたほうが良いんじゃないかなと私としては薄々思っていたのですがそれを強く勧めることもできず結局転院したのは8月に入ってからになりました。
精神的に落ち込むたびに母は元気を失っていきました。
そのことにより体内の免疫が働きにくい状況になり、次の検査で悪くなってまた落ち込むという悪循環でした。結果を見て落ち込むくらいなら検査もしないほうがマシだと思いました。
この先生なら信頼できるとか、この人に会えば元気が出ると思えないのならば、診療を受けてもかえって治癒の妨げになりますから迷わずさっさと転院したほうが良いです。
5.鍼灸師などがん治療を行う民間療法家をもっと早くに訪れてみるべきだった
8月に入り、骨転移の痛みや胸水による息苦しさの症状が辛くなってきてから、自由が丘にあるがん治療のお手伝いをされている聡哲鍼灸院を訪れました。
聡哲鍼灸院のことは7月の頭頃に知ってはいてとても気になっていたのですが、民間療法とか胡散臭いと思われるかなあなどと躊躇しているうちに毎週病院で精神的苦痛を受けて悪化する羽目になってしまいました。
実際に行ってお話を聞いてみると、聡哲先生の病院で処方される薬の作用や先生の行われてる治療についての説明はとても論理的でわかりやすく、信頼に足るものでした。
元々薬嫌いで自己免疫力で治したいという気持ちだった母のサポートをしてくれるコーチのような存在の専門家が必要だとは感じていたのですが、聡哲先生は正にその役割にぴったりの人でした。
治療院なんて行ってみてもし合わないと思ったら2回め行かなければいいだけの話なのだから、ピンと来たのならば躊躇せずにもっと早くに行くことを勧めておけばよかったと思いました。
がんとの闘いは時間との闘いです。迷っている暇はありません。
直感を信じて良さそうだと思ったものは早く試す、イマイチならやめるといった素早い判断が必要だったと思いました。
6.骨転移の痛みを和らげるストロンチウム89を使えたらよかった
先述したとおり骨転移の痛みは大変なもので、オキシコンチンやオキノームといった経口投与のモルヒネ系の薬がうまく効かなかったり副作用が大きかったりした母は8月中旬頃には毎日出産前の陣痛のような痛みに苦しんでいました。
痛みがひどくなってから調べて見つけた骨転移の痛みを抑えるストロンチウム89による治療というのが良さそうに思えましたが、血液の各種成分の数値が悪くなってしまっていて使ってみることはできませんでした。
ストロンチウム89は抗がん剤治療を今後行う予定のない人でないと使えないという制約がありましたが、抗がん剤はもうやるつもりがなかったのでもう少し早くにこの存在を知っていたら試してみたかったです。
治療に関する反省点は以上です。
次回患者本人の心の持ち方についての考察を行いたいと思います。
母の死によせて
9月1日に母が亡くなりました。
去年の夏に検診で胃がんが見つかり、その時点では全く自覚症状もなく元気だったのにそれからわずか1年という短い期間でこの世を去りました。ジャンクや甘いものは好まず、お酒もほんの少ししか飲まず、毎日家で作った料理を食べて健康的な食生活を送り、また地域のおばあちゃんたちへの体操指導や趣味のスポーツで毎日身体を動かす元気ハツラツな母が癌になるなんて周りの誰も信じられませんでした。
今年5月に骨への転移が見つかった時には母がもう治らないと私も大泣きしてしまいました。しかし治療法はないものかと必死で探すうちにがんという病気のことがわかってきて、がんという病気は病院で治療法がなく延命しか無いと言われたとしても治る可能性はある病気であるということがわかりました。
端的に言えばがんというのは心と身体に毒が溜まり過ぎると発症する病気です。たとえば毎日食品添加物まみれの食事をしているような人なら食事が原因でがんになるでしょう。またがんになった人のほとんどはがんが見つかる2、3年前に極度の多忙やストレス状態を経験したと言います。母の場合もまさにこれは当てはまっていました。
しかし母の闘病のサポートをする中でがん細胞の拡がりに最も大きな影響を及ぼすのは心の問題であると私は確信しました。
心の中に怒り、不安、恐れ、苛立ち、そうしたネガティブな感情を常に抱えてそれに囚われていると自分の中にある免疫細胞が活発に働かなくなりがん細胞を抑えることができなくなってしまいます。
ある時母が心に強いショックを受けることがあり、それ以降急激に病状が悪化してしまったのは心の状態ががん細胞にもたらす影響を端的に表していると感じました。
がんが見つかったことで自分が抱えている心の中の問題に気づき、今まで溜め込んでいた負の感情を洗い流して囚われから開放されればこれまでよりもっと良い新しい人生が待っていると、母も私も信じていました。
病気を治すことはできなかったけれど、最後には自分自身を赦すことができたと言っていたことは私にとっては大きな救いでした。
痛みや苦しみに耐え、それでも最後まで諦めなかった母によくがんばったねと伝えたいです。
自分のことよりも誰よりも周りの人のことを考えていた母。
57年という今の平均寿命からすれば短い人生になってしまいましたが、普通の人の80年や100年分の活動をしていた気がします。
もっと自分本位でわがままに生きられたら長生きできたろうになあとは思いますが、大変密度が濃く充実した人生を送ったと思います。
母がいなくなってしまったことはとても寂しいですが、誰もがいつ死ぬかわからないのだから、今この時を大切にして毎日楽しく後悔のないように生きたいと改めて思いました。
母は結果としてがんから寛解することはできませんでしたが、末期の状態であってもがんは治癒可能な病気であるという考えに変わりはありません。
また「良く生きる」ということががんにならないための秘訣ではないかと思います。
このブログをご覧になってくださった方はおそらくがんを患っている方かそのご家族ご友人などかと思います。
正しい情報を知りきちんと病気や自分と向き合うことで治る病気であるということを知り、健康を取り戻すことを諦めずにがんばってください。
がん治癒のために調べたことや体験したこと、読んだ本などでまだ書き足りないことが色々ありますのでまだしばらくはブログを更新していくつもりです。
がんを患われている方が一人でも多くこの病を克服し、素晴らしい人生を歩まれることを祈っております。
がん研有明病院を離れて 早期からの緩和ケアのすすめと聡哲鍼灸院のこと
母は現在骨転移による首すじ、胸、腰、背中などの痛みがこの1、2週間で急激にひどくなり、また胸水などの原因による息苦しさもあり、昼間もほとんどまともに活動ができず夜も1、2時間おきに目が冷めてしまうなどとてもかわいそうな状況で家族としてもこの痛みと息苦しさをなんとかしたいと思っていました。
がん研有明病院を離れる
抗がん剤と放射線治療はもうしないと決めたので、がん研有明病院まで遠路はるばる行く必要はもうないと判断し7月いっぱいでがん研有明病院を離れました。
母は放射線治療の時には本人が入院を嫌がったため通院で毎日、最近では1、2週間に一度のペースで電車で2時間以上かかる有明まで通っていました。
がん研有明に通い始めた当初はこれほどの頻度で病院に通わなければならないとは考えていませんでした。
がんによるつらい症状が出ている中ではこの距離は厳しいです。
また毎週のように検査が行われ、血液検査やレントゲンの結果で悪くなっているものがあれば落ち込み、抗がん剤や放射線はもう受けたくないのに今の数値であればそれらの治療を受けないと悪化を防げないということを言われて落ち込みと、母は病院に行くたびに元気をなくして帰ってきました。
7月末には完全に鬱のような症状が出ており父も私もこれはまずいと思いました。
一日で身体の状態がそれほど変化するはずがないのに、病院に行く前と行った後ではまったく様子が違ってしまっていたのです。
これではがんによってではなく、心を傷つけられてそれによって身体もダメージを受けて死んでしまうと思いました。
これはもう限界だと思い、有明に行くのはもうやめようよと言いました。
医師とは何のためにいるのでしょうか?
病気を治すのではなく患者を傷つける言葉を投げるだけの医師ならばいない方がマシです。
緩和ケア科へ
がん研有明病院を離れたら、今度の病院は神奈川県内で通いやすいところにしたいと思いました。しかし標準治療を望んでいないと、県内のがんセンターなどは受け入れをしてくれません。
今はこの疼痛のコントロールと心理的なケアが最重要なので緩和ケア科にかかる方が良いと考えました。
緩和ケア、ホスピスというと日本では終末(ターミナル)ケアと考えられがちですが、痛み止めや抗がん剤、放射線の副作用への薬の処方はこちらの方が専門なので変に身構えずに早期から利用したほうがいいと思います。
またがんセンターなどでは標準治療を受けないとなると非難されるようなことを言われたり食事療法や免疫療法などはバカににするような発言をされることさえありますが、緩和ケア科では標準治療が効かなくなった患者さんも多いため代替療法や自然療法も患者本人が良いと思うならご自由にやってくださいといったスタンスのところも結構あるという話を見かけたため、それも私たちが緩和ケア科を訪れる後押しになりました。
日野原記念ピースハウス病院
私たちが行ったのは東名秦野中井インターからすぐそばの日野原記念ピースハウス病院という緩和ケア専門の病院です。
HPを見ると素敵な写真が載っていますが、こちらは普通の病院とは全く違って高原のペンションのような雰囲気です。
疼痛があまりにひどかったため、予約日を一日早めて受診させていただきましたが、診療にあたってくださった院長先生は初診で2時間近くも時間を取ってこれまでの経緯や今の症状などの話を聞いてくださいました。大きな病院ではこういったことは難しいでしょう。
こちらの病院でどこまでのことができるのかHPからはわからなかったのですが、母は外来診療のため基本は痛め止めの調整のみになりそうです。
先日私がかなりがんばって色々な話をして精神がどん底の状態からは脱していましたが、痛みと息苦しさのせいでかなり不安感に襲われていましたから心理的なケアを行ってもらえればという期待も少しあったのですが、外来ではそういったことは行っていないようです。
痛み止めの処方以外のことは主にボランティアの手によって行われているようで、入院の患者さんはタイミングが良ければマッサージやその他のセラピーなども受けられそうです。
でも、鍼灸や漢方などの他の治療もご本人が望むならばどうぞ、ただ何かやったならば教えてくれるとありがたいですねえといった対応だったので、こちらの良いと思ってやっていることを否定されたりすることはなくて良かったです。
血液検査はやりたい場合は外注で出すので結果は1〜数日後に来るそうです。
レントゲンがいらなければこちら一本で良いのですが、検査のために有明の前に行っていた病院にも通うかはまだ検討中です。
自然療法の聡哲鍼灸院へ
緩和ケア病院では母の骨転移による痛みを抑える方法が痛み止めを増やす以外になかったため、痛みを抑えるために他のあらゆる手段を探したいと思った私たちは自由が丘にある聡哲鍼灸院というがん治療のお手伝いを専門になさっている鍼灸院に伺いました。
ここは以前から気になっていたのですが、父がこういうのはちょっと胡散臭いとか思いそうかなあと思ったりしてなかなか行けませんでした。
でももう状況が状況で後がないので、ここも行ってみようよと父に言うと、明日さっそく行こうと父の方から言ってくれました。
結論から言うと…期待以上に非常に良かったです…!
たくさんの良いお話が聞けて、痛みもいつもより何時間も出るのが遅くなったし、何より治らない治らないとずっと言われ続けてきた母に治るよという言葉をくれて勇気づけてくれました。
聡哲鍼灸院で得られたことはまた別記事に書きたいと思います。
Never Give Up!
がん患者に起こる息苦しさの原因と対処法
最近母がたびたび息苦しさを感じているので、その原因として考えられることと対処法を調べたのでまとめました。
がんによる息苦しさとは
まず前提として、ガンにより炎症を起こしているので酸素の取り込みや二酸化炭素の排泄が悪くなり、息苦しい感じを生じやすくなっています。
また不安感があったりなど精神的な要因でも息苦しさを感じることがあります。
息苦しさの原因として考えられる理由
1.モルヒネの量が少なかった
母の場合、先日増富温泉に行った時にメインのモルヒネを忘れてしまい、その時に息苦しくなる症状が出ていました。
モルヒネは息苦しい感じを抑える効果もあるので、モルヒネを飲み損ねてひどい息苦しさが出た場合にはそれが影響していることが考えられます。
モルヒネを通常どおり飲んでいるにも関わらず症状が出る場合には量を増やせば苦しさは引くかもしれません。ただし原因の治療にはなりません。
2.胸水
正常な肺の体積が減ることにより酸素と二酸化炭素のガス交換が不十分となり息苦しさを感じます。胸水が増え、そのせいで息苦しさを感じているのなら何らかの方法で減らしてもらう処置をした方が良さそうです。
胸水対策については色々調べたのですが、その内容すべてこちらのページにまとまってました!
3.血中酸素濃度の低下
肺の機能低下により血中酸素濃度が低下し、それにより息苦しくなることがあります。 血中酸素濃度が低下したら酸素吸入を行うことでその時の症状を緩和することができます。
肺機能の向上はがん細胞を消していくことなので食事療法や温熱療法、心理療法などのがん細胞を消していくための取り組みを落ち着いておこなっていきましょう。
血中酸素濃度は家で測れる機械もあります。パルスオキシメーターといいますが、調べた中ではこちらの商品が医療機関でも使われていたり、病院で使用するものと比べても誤差が少なく使いやすく評判が良さそうでした。
4.筋力低下
がんの悪液質により横隔膜や呼吸筋等の呼吸のための筋力が低下し、肺をふくらめたり縮んだりする力が不十分になると血中の酸素が減っていなくても息をすることが苦しく感じるようになります。
これが理由なら、とりあえずはモルヒネ増加で息苦しい感じを押さえ、悪液質による体重減少を抑えつつ筋力をつけるための栄養補助食品を摂るのが良いかと思います。がんの悪液質の影響を抑え筋力をつけるためにプロシュアという栄養補助食品が効果があるという使用結果の報告もあります。
母もだいぶ体重が落ちてしまっていたので、我が家でもさっそくプロシュアを購入しました。この手のものは正直あまりおいしくないものも多そうなイメージでそれを心配していましたが、母によるとこれは悪くない味なようです。
5.うつ病・自律神経失調症
うつや自律神経失調症でも息苦しいといった症状が起こります。がん患者の多くがうつのような症状になると言われており、母も息苦しさを訴える数日前からうつのような症状が出ていたので、おそらく多かれ少なかれこの心理的な要因はあると思います。
身体に不調があると誰でも不安になったりします。それががんともなればなおさらのことです。がん患者のメンタルケアは非常に重要だと思います。この件についてもいずれ別記事にまとめられたらなと思います。
息苦しさが起こると大きな不安感に襲われてしまいますから、なんとかうまく症状を抑えつつ原因の方を治していきたいですね。