抗がん剤とは何なのかー抗がん剤を始める前・継続に迷っている時に知っておきたいこと
母が抗がん剤をやることになってから、抗がん剤について色々と調べていました。
抗がん剤とは何なのか
手術で取りきれないがん細胞がある、またはありそうだという時には必ず抗がん剤を勧められます。抗がん剤とはどういったものでしょうか。
抗がん剤はがん細胞を叩いて殺すことを目的にした薬ですが、一方で毒でもあります。
共通するクセとしては全身倦怠感、食欲不振、吐き気、嘔吐、そして骨髄抑制だ。それらを副作用と呼ぶが、元来、抗がん剤は毒なので、当然いえば当然。全身倦怠感や食欲不振という自覚症状や検査値の変化は、抗がん剤の副作用どころか、主作用と呼んだほうがいいかもしれない。
引用:抗がん剤 10の「やめどき」~あなたの治療、延命ですか? 縮命ですか? (あなたの治療、延命ですか?縮命ですか?)より。太字原文のまま。
抗がん剤の奏効率とは
抗がん剤がどれくらい効果を上げるかということを語る時、大体の場合には奏効率という言葉が使われます。
奏効率とは何なのでしょう?わかりやすい説明を見つけたので引用します。
抗がん剤の効果判定基準 著効(CR) 腫瘍が消失した状態が4週間続く 有効(PR) 腫瘍が50%以上縮小した状態が4週間続く 不変(NC) 腫瘍の縮小率が50%未満~がんの増大率が25%未満 進行(PD) 腫瘍が25%以上増大 ある治療を行った全症例のうち、著効+有効の割合を奏効率といいます。
奏効率と生存率には相関関係はありません。既存の治療よりも奏効率が高い治療法が登場しても、生存期間が延長するかどうかは別問題です。
上記の説明を見るとわかりますが、抗がん剤が効いた=がんが完全に消失したということではないのです。医師の言う抗がん剤が効いたというのは、腫瘍が1ヶ月の間元の大きさの半分以下になっているということです。
では抗がん剤の一般的な奏効率はどのくらいなのでしょうか?
なお抗がん剤の目標奏効率は、わずか20%です。奏効率20%とは、10人中8人は腫瘍の大きさが変わらないか、逆に増大してしまうことを意味します。
※赤字部筆者強調
目標20%というのは抗がん剤全般の話ですが、胃がんに対するTS-1の奏効率で言えば約10%ということが医師からも説明されました。
もちろん、上記引用部の表の一番上にある著効、ものすごくよく効くケースもありまずがその確率は非常に低いのです。
なぜ抗がん剤が効かなくなるのか
ある抗がん剤が運良く効いたとしても、その薬をずっと使い続けるわけにはいきません。
人間の体には薬物耐性というものがあり、どんなに効果がある薬でも同じ薬を使い続けていると、いずれ効果が無くなってしまうのです。全ての薬に薬物耐性があるわけではありませんが、最初は良く効いていた抗がん剤でも効果がなくなるのが一般的です。
※赤字下線部筆者強調
抗がん剤を投与したのに癌細胞が増えた時は、その薬の耐性ができたと判断され、違う薬に切り替えることになります。このサイクルを何度も繰り返すのが、進行がんにおける一般的な抗がん剤治療です。
引用元:耐性により抗がん剤の効果が無くなる理由 | はじめてガン保険
抗がん剤治療はファーストライン、セカンドライン、サードラインと薬を切り替えながら進んでいきますが、がんが全身の各所に転移してしまっている場合は抗がん剤の力でがん細胞を完全に無くすのは不可能です。そのため病院ではあとは延命治療しか無いというのです。
がんとの闘いとはどのようなものなのか
がんとの闘いはテロとの闘いに似ています。
テロリスト集団(=がんの塊)のいるところは検査で見つけることができますが、たくさんの一般の人たちに紛れた一人二人のテロリストを見つけるのはほとんど不可能です。
抗がん剤は空爆のようなもので、テロリスト集団のいるところを爆撃します。うまく当たればテロリストの数を減らすことができます。しかし同時にテロリストの潜んでいる街も爆撃してしまい民間人(=他の正常細胞)にも被害が出ます。
また爆撃がうまく当たるとは限りません。当たったとしても集団のリーダーに当てるのは更に難しくなります。テロリストのリーダー(=がんの親玉)を倒さなければ、リーダーは爆撃から逃げおおせて新たな仲間を作り出し、今度はこちらの爆撃パターンを学習し爆撃を食らわないようになります。
爆撃を繰り返せば街や民間人に被害が広がる一方で、テロリストは怒り狂って反撃に出てきます。テロリストの攻撃と爆撃によって街はぼろぼろになり、最終的には人が誰もいなくなってしまう…。
これが抗がん剤治療を受け続けた身体のイメージです。
がんに勝つことはできないのか?
手術で取りきれないがんがあり、抗がん剤もよくて数ヶ月の延命程度の効果しかないとしたら、がんを完全に消し去ることはできないのでしょうか?
そんなことはありません。
調べてみると世の中には転移していてもがん細胞が縮小・消失してその後再発がない、あるいは身体にがん細胞があったとしてもそれほど大きくならずに何年も元気に過ごしているという人が少なからずいることがわかりました。
がんが広がってもその後がんをおとなしくさせて元気に過ごしている人には以下の様な共通する特徴がありました。
- 抗がん剤だけに頼らない
- 生活習慣や考え方も含めたライフスタイルを変える
- 病院で勧められる三大療法以外にも効果がありそうなものを色々試す
- 前向きに毎日楽しく生きる
- 「これをやったら治る」という信じられる治療法がある
三大療法以外に何をやるかというのは、食事療法はまず必須だと思いますがそれ以外のことに関してはその人がなぜ癌になったのかというのを考えなければならないと思います。
すべての人ががん細胞の種を持っています。検査で見つかるほど大きくなるか個人差はあれど、加齢によりがん細胞は必ず現れてきます。
若くしてがんになった人にはきっとがん細胞が発動しやすくなる原因がきっと何かあったのではないかと思います。
根治するためには単にがん細胞を叩くだけではなく、がん細胞を育ちやすくする環境を変えなければなりません。でなければがん細胞は一度消えても必ずまた再び現れてきます。
抗がん剤は使わないほうがいいのか
抗がん剤についてかなりネガティブに書きましたが、抗がん剤を全く使わないほうがいいかと言われればYesとは言い切れません。抗がん剤がよく効いて腫瘍が小さくなる可能性もあるからです。ただし、使うならば以下のことは念頭に置いて使わなければならないと思います。
- 抗がん剤はずっと使い続けるものではなく必ずいつかはやめるものと考える
- 副作用が強くて体力を落とすようならやめる
- 効果がないなら早いうちにすっぱり諦める
もし抗がん剤を試して効果がなくても諦めて悲観することはないと思います。世の中には三大療法を全く受けなくても完治して人はいます。
がんが完全に消失した人の話も色々読んでいましたが、共通して言えることには当初は抗がん剤や放射線治療をやっていた人も最終的には必ずどこかのタイミングでやめているということです。
これから抗がん剤を受ける人、抗がん剤を受けているけれど効果に疑問があると感じている人に以下の本がおすすめです。私ももっと早いうちに読んでおけばよかったと思いました。
抗がん剤 10の「やめどき」~あなたの治療、延命ですか? 縮命ですか? (あなたの治療、延命ですか?縮命ですか?)
- 作者: 長尾和宏
- 出版社/メーカー: ブックマン社
- 発売日: 2013/09/18
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『抗がん剤10の「やめどき」』は特に抗がん剤を今受けられている方には特に第一章は少々読むのにつらい部分があるかもしれません。この本のストーリーに出てくる人とあなたは同じではありません。あくまで他の人のケースとして感情移入し過ぎないほうがいいと思います。もしどうしても読むのがつらそうであれば後半第二章だけ読んでもいいと思います。
がんが自然に治る生き方――余命宣告から「劇的な寛解」に至った人たちが実践している9つのこと
- 作者: ケリー・ターナー,長田美穂
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2014/11/13
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『がんが自然に治る生き方』はがん患者とその家族にも希望の持てる内容です。この本の内容は、身体の問題だけでなく心の問題を解決しなければこの病は治らないと思っていた私の考えを確信に変えてくれました。ともすれば宗教的と受け取られるかもしれませんが、治るという確信なしには完治はありえないと思うのです。
先に『抗がん剤10の「やめどき」』、あとから『がんが自然に治る生き方』の読順がおすすめです。
母のがんを治すために良い方法が見つかればと思います。
このブログを訪れて下さったがん患者さんとそれを支える方々にも希望が見つかりますように。
骨転移に対する治療方法②サムライザ+パクリタキセル
サイラムザ(ラムシルマブ)
医師の説明によると、2015年6月から始められた新しい治療法で、80%の割合で癌の進行を止めその内の30%は癌の減少があるらしいです。
ネットでサイラムザを調べると効能は以下の様に書かれていました。
治癒切除不能な進行・再発の胃癌に対する分子標的薬。血管新生阻害薬。
分子標的薬とは
がん細胞は,正常細胞と違い際限なく増殖し続けますが,増殖するのに必要ないろいろな特有の因子があります。これらの因子をねらい撃ちする治療を「分子標的治療」,それに用いられる薬を「分子標的治療薬」といいます。
抗がん剤は,がん細胞も正常細胞もみさかいなく攻撃するため,正常細胞の中で増殖が盛んな細胞,例えば髪の毛や消化器の細胞などが影響を受けるために,脱毛や吐き気といった副作用が起こります。分子標的治療は,がん細胞だけをピンポイントでねらい撃ちし,大きな副作用なしにがんを抑える効果が期待されていましたが,必ずしもそううまくいかないことがわかってきました。
血管新生阻害薬とは
がん細胞はある程度の大きさに成長するとより,多くの酸素や栄養分を必要とするようになります。
そこで,がん細胞は,ある程度成長すると,新しい血管を自らに向けて成長させる能力を持つようになります。
こうして,新たに形成された血管を通して,酸素や栄養分が供給されるようになったがん細胞はその後急速に成長します。
また,その血管を通して,他の部位へと転移する能力も獲得するようになります。
そこで,このような新生血管の形成を阻害することで,がんの成長を抑制することを目的として開発された,抗がん剤が分子標的薬の血管新生阻害剤です。
さらに,血管新生阻害剤は,がん細胞が血流に乗って他の部位へ転移するのを防ぐ転移予防薬としての作用も期待できます。
血管新生阻害薬のメリット
一般的に,抗がん剤は投与を続けると,がん細胞はそれに対して抵抗力を持つようになり,効かなくなる時がきます。
これを薬剤耐性といいますが,この血管新生阻害剤は,がん細胞そのものを標的とはしていないため,薬剤耐性が生じることはあまりなく,投与によってがんが悪性化することもないと考えられています。
ただし,血管新生阻害剤は、がん細胞を直接殺傷する抗がん剤ではないため,大きな縮小効果は望めませんが,延命やがんの成長を止める効果は期待できるとされています。
また,治療効果を向上させるために,従来型の抗がん剤との併用もおこなわれています。
危険性
動物における新たな研究によると、腫瘍への血液供給を断つことによって腫瘍を餓死させる血管新生阻害剤とよばれる新世代の抗癌剤は当初奏効するが、その後はより侵襲的な癌増殖を促進し、場合によっては転移発生率が高くなる。この研究は他の動物実験と同様の結果であることが示され、癌患者を対象とした数少ない臨床試験での初期のエビデンスとも合致している。
引用元:血管新生阻害剤の弱点と、解決策の必要性が研究で示唆される/カリフォルニア大学 - 海外癌医療情報リファレンス
こちらの研究は2009年と少し古いのですが、かなり気になる記述があるのでこの件に関する更なる研究がないか調べましたが見つからず…もし何かご存じの方がいたらぜひお教えください。
副作用要約
主な副作用は腹痛、高血圧、下痢、蛋白尿 。
パクリタキセル併用時の副作用
主な副作用は疲労、無力症、好中球減少症、白血球減少症、下痢、鼻出血。
パクリタキセル併用時の重大な副作用
動脈血栓塞栓症、心筋梗塞、脳血管障害、静脈血栓塞栓症、肺塞栓症
悪寒、紅潮、低血圧、呼吸困難、気管支痙攣
消化管穿孔
出血、消化管出血
好中球減少症、白血球減少症及び発熱性好中球減少症
うっ血性心不全
創傷治癒障害
瘻孔
可逆性後白質脳症症候群
参考:
サイラムザの添付文書情報です。投与してはならない疾患のある患者、上記で記載した副作用の発現する割合などが記載されているのでサイラムザの投与を検討する場合には一度目を通されることをおすすめします。
最初にアクセスした時に医師か医療関係者かと問われるので「医師」のボタンを押すと見られます。(一般患者だって見たっていいと思うのになんででしょうね)
この結果をどう見るかは患者の年齢や状態にもよると思いますが……サイラムザ使用群とプラセーボ群の患者の初期投与時の状態とか年齢とかはばらつきないのかとか疑いだしてしまう私。フラジャイルに影響されすぎですかね。
母は5月24日(火)に一回目のサイラムザ+パクリタキセルの投与が行われましたが、今のところ目立った副作用はないようです。
※引用部の赤強調はすべてブログ管理人が行っています。
関連記事
骨転移に対する治療方法①ゾメタ
骨転移に対処するために母が受ける治療内容の有効性と副作用などをまとめます。
ゾメタ
ゾメタは骨を丈夫にするビスホスホネート系と呼ばれる種類の薬です。骨のがんに使われますが、痛みの軽減や骨折の予防が目的の薬であり、いわゆる抗がん剤ではありません。
副作用
国内の臨床試験で4mg投与群114例中71例(62.3%)に副作用が認められました。主な副作用は、発熱42.1%、嘔気13.2%、けん怠感13.2%、頭痛11.4%、骨痛8.8%、関節痛7.0%等です。
有効率
投与後10日目までの血清補正カルシウム値が10.8mg/dl以下になった正常化率は、84.0%(25例中21例)。
乳がん骨転移で病的骨折、骨病変に対する放射線治療、骨病変に対する外科的手術、脊髄圧迫の発現割合は30%でした。プラセボ群の50%に比べて良好でした。
上記の説明だと、副作用が重くなければ受けたほうが良さそうだと思われます。
関連記事
ストレスと胃がん、骨への転移
5月20日金曜日、私の携帯に父から電話が入りました。
検査の結果母のがんは骨に転移していて、手術して切除が不能なほど広がってしまっているということでした。
手術ができないということはつまりもう完全に回復することは不可能、できることは「延命」をするだけ。
骨への転移というのがどういうことなのかをインターネットで調べ、状況の深刻さがわかった私は母がいなくなってしまった未来を想像して涙を堪えることができませんでした。
家に帰ってきた夫に状況を話そうと口を開いたら、言葉にならない大きな感情の波が押し寄せてきて泣きじゃくってしまいました。
翌日、病室にお見舞いに行くとさすがの母も憔悴していて、何をどう話していいかわかりませんでした。
病室で一緒にいる時には普通に振舞っていた父も、テニスにゴルフに旅行、何をするにもどこに行くにも一緒の母へのこの恐ろしい死の宣告にどれほどショックを受けているか…母の両親だってまだ健在なのに…何を考えても涙が出てきてしまいます。
お見舞いから帰ってその晩、私は何か母を助ける方法はないか必死に探しました。
そして代替療法について色々調べるうちに、段々冷静さを取り戻してきていくつかまずやらなければならないことがあると感じました。
気持ちを落ち着かせ副交感神経優位にする
まず一つ目は気持ちを落ち着けること。
このような重大な告知を受けて動揺を受けない人はいません。
告知を受けた日には水さえも喉を通らなかったと母は言っていました。
これはおそらく極度の緊張状態に陥って、交感神経が優位になりすぎている状況だと思いました。
電話で話を聞いた私もその日の夕食は喉を通らなくてやっと押しこむような感じでした。これは首周辺の筋肉が緊張してこわばって食道を細めているためです。
副交感神経を優位にして身体の緊張を解きほぐさなければならない。
このように思いました。
そのために音楽を聞きながら深呼吸をする。
副交感神経を優位にする方法については検索すれば色々な方法が見つかりますが、腹式呼吸はその一つの方法です。交感神経が優位になっていると呼吸が浅くなり、身体が緊張します。
何も音がない状態で一人で部屋にいたら色々なことを考えてしまい不安になります。
ですから、クラシックなどゆったりした音楽を聞きながらそれに合わせて呼吸をすることに集中して無心になる。これが良いのではないかと思いました。
サン=サーンスの白鳥などはテンポや曲調的に良いようです。
ストレスは免疫機能を低下させてしまいます。これはがんと戦っていく上で良くないことです。この状況でリラックスしろというのはとても難しいですが、だからこそ意識的にリラックスできる方法を試した方が良いと思います。
現状を受け入れて感情を解き放つ
孫達が大きくなるのを見ていたかった、のこされた家族が心配だ、などやりたかったこと心配なことなど様々なことが胸に去来します。
5月には免疫系の数値は胃の切除前の正常値レベルまで戻っていたのになぜ!
TS-1はやらない方が良かったとか、腰がいたいと言っていたのに、腫瘍マーカーの数値が上がっていたのになんでもっと早くに転移を見つけてくれなかったんだとか怒りと悔しさも湧き上がってきます。
これらは口に出せば涙が出てきてしまいますが、ここで涙を堪えずにわんわん泣きながら吐き出したほうがいいと母に言いました。
病院のカウンセラーでもいいし、父でも私でもいいから、心に溜め込んでいるものを話してすっきりしよう。聞いたら私たちも泣いてしまうかもしれないけど一緒に泣きながらでも前に進もうよと電話で話しました。
大泣きすることもストレス解消につながると言います。
不安や怒りを口にして外に出してしまえばそれはもう自身の中にはとどまらず流れでていって霧散します。そしてその気持ちを昇華することで前に向かうエネルギーが湧いてくると思うのです。
私自身も上記のようなことを電話で母と父に話したら頭で考えていただけよりも、腹の中に落ちたとでも言いますか、より自然に現状を受け入れることができていました。
土曜以降まだお見舞いにはいけていないのですが、母にあったらマッサージをしたり手をつないだり、ぎゅっと抱きしめてあげたいと思っています。直感ですが、スキンシップもまた母を癒やすのではないかと思うのです。
今日生きていることにことに感謝して、これからやりたいことを考える
現状を受け入れた私の心に湧き上がってきたのが、今日生きていることに感謝する気持ちです。
ああ今日も生きてる、動けてる、今日は何をしようかなとやりたいことを前向きに考えることが明日につながるような気がします。
病院でもう延命治療しかできないと言われても、その予想に反して元気に生きている人というのは実は結構いると思うのです。
その人達はきっとそれぞれ色々な工夫の末に医師の予想を覆して健康を取り戻したと思うのですが、まず前提として諦めている人に未来は来ない、諦めないことが未来への第一歩だと私は確信しています。
つい身辺整理のことを考えてしまうと母は話していますが、そんなことは考えなくてもいいのです。だってもし事故などで急に死んでしまったらそんなことはできませんが、周りがなんとかするんです。自分が死ぬ準備なんてする必要はないんです。
いつかやりたかったことを今すぐやろう!
私は母にそう言いました。
母は娘たちと母娘3人で旅行がしたかったと言いました。私たちは母娘だけで旅行をするということはしたことがありませんでした。
最後のチャンスかもしれません、でもまたできるかもしれません。またの機会が訪れたときには、初めて3人で旅行した時にはあんな状態だったねって笑って話せるといいなと思います。
前向きになって、がんを治すための色々な手段を知ったら、もう母が死ぬなんてことは絶対にありえないような気がしてきました。
がんが全身に蔓延して西洋医学で根治が不可能である以上、このがんとはもう付き合っていくありません。
食事を整えたり運動をしたりと身体的なアプローチからコンディションを整えるのは元々得意な母ですが、それでもがんになってしまったのは間違いなくストレスが原因だったと思います。
胃の切除後も母のストレスをなんとか軽減してあげなければということはずっと考えてきたのですが、母をストレスから開放させるためにもっと踏み込まなければと感じています。
母自身がこれまでの思考方法やこだわりから脱却できたなら、このがんはたとえ切除できなくても共存してやっていける、小さくなっていってくれると思うのです。
心理療法的なアプローチももっと詳しく調べてみなければと思います。
がんの三大療法と代替療法の検討
がんを治すための治療法としては手術療法、化学療法、放射線療法の三大療法があります。
手術療法はがんのある部分を手術で摘出します。
化学療法はいわゆる抗がん剤です。点滴や注射、内服薬でがんの発生を押さえたりがんを死滅させたりします。
放射線療法は放射線をあててその部分のがん細胞を死滅させます。
参考リンク
がんの三大療法 | がんを治療する | がんを学ぶ
ただし、癌が進行して一箇所だけでなく全身の何箇所にも転移してしまっていると、この三大療法だけではがんの発生を抑えることができないことが多々あります。
また抗がん剤や放射線治療は副作用も強いため患者の負担が大きく治療を断念せざるを得ない、あるいは副作用を抑えるために何かしたいと考えた時に上記の三大療法以外の手段である代替療法を検討する必要が出てきます。
医師にあとはもう完全に治す手段はないと言われてしまった場合には、この三大療法で取り得る手段では多少の延命は可能であっても治る可能性はないのです。
しかし、現実にはもう治らないという段階まで行ってしまってもそこから癌が消失したり想定されたよりもはるかに長く再発をおさえていたり、癌があるまま長く生きているという人も現実には存在します。打つ手が無いと言われてしまった以上、この三大療法以外で取りうるあらゆる手を考えて母の癌を治したいと家族みんなで必死に闘っています。
以下、色々調べて発見した様々な代替療法を簡単にまとめていきます。
癌の代替療法まとめ
まず前提として認識しておく必要があるのは、がんの性質も患者の体もそれぞれなので、誰にでも効くというものは存在しないということです。
その上でまずは食事を改め、自分で良いと思うものを取捨選択して試していくしか無いと思います。
病院での受診が必要なもの
丸山ワクチン
免疫療法の一種。1964年に使用が開始されて以来二度厚生省に承認申請をしているものの不承認となっています。丸山ワクチンが承認されなかった理由については陰謀論などもありますが、あまり信ぴょう性がないように思います。調べていると色々情報がありすぎて何を信じていいかわからなくなりそうです。
副作用はないとされています。利用する場合は有償治験薬として薬代を払い治験を行うという形になります。医師はその経過を記載する必要がありますが、丸山ワクチンの利用を歓迎しない病院も多いので、利用したい場合は丸山ワクチンの利用に積極的な病院をまず探すほうが良さそうです。
母の知人などにも丸山ワクチンが効いたという人もあり、ネットの評判などを合わせてみても”絶対に効かない”とは言い切れない印象です。抗がん剤がひどい副作用を伴ったあげくに効果があるのが10%程度しかないことを考えると、たとえ効かなかったとしてもそれほど高くないしやってみてもいいのではと思うのですが。癌研有明病院では取り扱ってくれませんでした。
ちなみにアンサー20という放射線治療に伴う白血球数減少を抑える薬がゼリア新薬から販売されていますが、これは丸山ワクチンの一種で放射線治療中であれば利用が可能で保険適用になります。
参考リンク
※色々見すぎて適当な場所をピックアップしそびれました。
ハイパーサーミア
温熱療法。抗がん剤や放射線治療と併用することで、その効果を高める。
副作用はないと言われているが、ひりつくような熱さを感じて既定の時間できない人もいるようなので合わなければ無理せずすぐに中断するほうが良いようです。
参考リンク
ハイパーサーミア(温熱療法) | がん治療について | 医療法人 佐田厚生会 佐田病院(福岡)
温熱療法について|もとヤーンの肺がんが消えちゃった ブログ・・・効果があった人の話。ハイパーサーミアについての説明。
スキルス胃癌・ハイパーサーミア・・・合わなかった人の話。
サプリメント
ブロリコ
ブロッコリーから抽出される自然免疫力を上げる成分。
医薬品ではなく食品の範疇になるため副作用はない模様です。ただし、ブロッコリーにアレルギー体質のある人もいるので注意。また飲み方の注意をよく読んで服用しましょう。
参考リンク
ブロリコ ブロリコの効果など詳しく載っています。
びわの種
びわの種にはアミグダリン(ビタミンB17)という抗がん作用のある成分が含まれています。がん細胞が正常細胞よりも約16倍も糖を取り込む特性を利用して、糖とともにアミグダリンを、がん細胞により多く取り込ませます。
ただし素人がよく知らずに経口投与するのは危ないようです。
びわの種には2%ものアミグダリン(青酸配糖体)が含まれ、経口投与で体内に吸収されるとシアン化水素という猛毒の物質に変わるので、加工の過程でアミグダリンが充分に除去されていないと、危険であるということです。
参考リンク
ベンフォチアミン:ビオトーワ
ビタミンB1誘導体。
がんの特効薬は発見済みだ!によると、極端な末期のがんでなければがんの発生を抑える効果があるらしいです。(私は本は読んでません)
参考リンク
ベンフォチアミン:ビオトーワ 薬の成分についての解説
ビオタミン ビオトーワと商品名がついてるベンフォチアミンがなぜ癌に有効なのか 飛んで/ウェブリブログ
漢方
西洋医学的な手法だと上述した三大療法のように癌があったらそれを撃退するというような局所的な処置を行います。しかし、進行がんのように全身を癌が蝕んでいる場合にはこの局所的な方法では手のほどこしようがありません。漢方=中国の医術では人間の体の全身状態を見て、体全体を良くするために薬を処方します。
漢方の効能は近年見直され、大きな病院でも専門の科が新設されたりもしています。漢方の利用も検討していきたいところです。
温熱療法
びわの葉温灸
びわの葉を使って行うお灸による温熱療法。びわの種よりアミグダリンは減りますが、安全性なども考えるとこちらの方が手を出しやすいかもしれません。
参考リンク
ビワの葉温灸療法を始めて1ヶ月 | 癌(がん)と闘う家族のブログ
参考リンク
漢方サポート科とは|漢方サポート科|がん研有明病院 がん研有明病院にも漢方サポート科がありました。
東洋医学科 | 神奈川県立がんセンター 西洋医学治療の補助として漢方薬を処方
東洋医学的ガンの対策 がん発生の原因や治療法など
まだよく調べられていないもの
名前だけは目にしてまだ調べられていないものです。後日調べたら更新するかもしれません。
ゲルソン療法
食事療法
ハスミワクチン
丸山ワクチンと並列で何度か見かけましたがまだ調べてません。
がんに効くサプリメントとがん患者の食事と栄養摂取について
がんという診断をされ、手術や抗がん剤などの治療を受けられた方なら癌を再発、転移させないためにどのような手段があるかというのはおそらくほとんどの方が考えられることだと思います。
母の癌も進行がんなので私たちもがんに有用な「何か」がないか色々調べまわりましたが、確実に「これ」といったものは残念ながらないのです。
抗がん剤でさえ約10%の人にしか効果がないのです。
様々な記事など読んだ末、やはりいくら地道でも食事療法は行わなければならないということは結論として言えると思いました。
人間の体を形成している細胞は日々生まれ変わっています。
毎日同じように見える体もすべては作り変えられた結果の産物です。
そして人の体を形作る元となるのは食事です。
病院に行き手術を受けたり薬を飲んだりするのと違い、食事療法は結果が見えづらい割には良い食事を取るというのは毎日手間がかかるため実行し、それを継続するのは大変です。しかし胃の全摘後に母が努力して食事などを整えた結果、抗がん剤の副作用で免疫系の数値が一旦下がったにも関わらず4ヶ月後にはまた上がりだしたのです。
自分の食べたものの結果が自分の体に現れる、自分の体は嘘をつかないということを母の検査結果は物語っていました。
※検査結果を母がエクセルでグラフにしたものがあるのですが手元にないのでまたいずれ。
がん患者を死に至らしめるのはがん細胞そのものではなく、がん細胞ができたことにより起こる多臓器不全などでです。
そして抗がん剤の副作用による免疫力の低下や食欲不振などはがんの再発や他の合併症を引き起こすリスクを高めています。
がん細胞と戦うのは他ならぬ自分自身の体で、自己の免疫力を高めることが再発防止につながります。
まずは栄養バランスの良い食事で自分の体を作ること。
そして足りない部分をサプリメントで補うこと。
これが重要だと思います。
結論を言うと当たり前すぎるのですが、藁をも掴む思いで治療法を探していると特定のサプリなどに頼りたい気持ちも出てきてしまいます。
しかし、サプリメントであっても副作用のあるものもあります。
手術の前後や抗がん剤と併用してはならないものなどもあります。
特定のサプリの大量摂取などは危険なものもあるようなのでどうか気をつけてください。そのサプリの効能だけでなく副作用もよく調べてください。
抗がん剤や放射線治療のマイナス面ばかりを強調して代替療法の良さばかりを主張するのも、代替療法をすべて眉唾として医師の言うことに従っていれば良いというのもどちらも違うのではないかと思います。
がんに特効薬がなく、人によってそれぞれ体の組成も違えば症状も異なる以上、効果がある可能性のあるものは試すとしかやりようがないと考えています。
以下の記事は論理的で有用な内容がまとまっていると思いますので、ぜひ全文読まれると良いと思います。
抗がんサプリメントの正しい選び方、使い方【抗がんサプリメントの正しい使い方】
がん患者の病院選び がん研有明病院について
今日は母の病院選びについて書いてみます。
1月上旬から抗がん剤TS1を始めた母ですが、本来4週抗がん剤投与-2週休むというサイクルで進めるはずが白血球の数値が下がりすぎてしまったために、このまま続けて良いか近所の総合病院の担当医の先生も決めかねていました。
3月の頭に術後3ヶ月検診のためがん研有明病院に行くため、そのときにそちらの先生の判断を仰ぐということになりました。
がん研有明の先生によると、まだ「術後」なのでこれくらい白血球の数値が下がることもままあるということ。
数値が下がってしまったらやめて休んで、また上がってきたらやればいい、それだけのことだよということでした。
それからは2週投与、1週休薬というサイクルで抗がん剤治療を続けています。
このサイクルのために3週ごとに病院で診てもらうことになり、その定期診察は近所の病院でもいいと言われたのですが、母は遠くても有明の病院に通うことにしました。
というのも、今回の白血球の数値が下がりすぎてしまったことについての判断もそうですが、母がどんな質問をしても有明の先生の方が自信を持って説明してくれる。医師が自分自身の判断に確信を持っているから信じて任せられるというのです。
一口にがんと言っても、手術後の経過や抗がん剤の副作用の出方などは本当に人それぞれでいろいろな状況がありえます。
がん研有明の先生はそれぞれの医師が特定のがんの専門医でおそらく膨大な量の症例を見てきているのでしょう。
母が通っていたのは地方の一総合病院で、医師もがん専門医ではなく一般の怪我なども診る外科医です。
圧倒的な経験値の差があるのは明白です。
命を失うかもしれないがんという病と闘うために、信頼できる医師に診断を受けたい。自信なさげに出された処方に従ってもし結果が悪い方に行ってしまったら後悔してもしきれない。これがベストの方法だと自信を持って言ってもらえたなら、結果がもし同じだったとしてもベストを尽くした結果として受け止められると母は言っていました。
がん研有明病院は予約患者の枠とは別に常に当日飛び込みの患者の枠を取ってあるようで、最初に母が近所の病院で紹介を依頼した時にもすぐ翌日に初診が取れ、検査も1週間後程度で行うことができました。
進行性の病気であるがんを患った人にとって、手術を受ける前の待たなければならない時間は地獄です。
その点についてもがん研有明病院は緊急の受け入れ態勢が整っており、がん患者のことを良く考えられていると思います。
この記事を読んでくださった癌と診断された方、そのご家族などが信じて任せることのできる医師に出会えますように。
後日談
この記事から約3ヶ月後、がん研有明病院を離れました。
こちらの記事もぜひお読みください。