56歳 胃がんと闘う母の記録

胃がんで胃を全摘出した母の闘病記

胃全摘手術後の経過 退院の日まで

母からメールの返信が来たのは手術から3日めのことでした。

手術当日は父と電話をし、目は覚めているもののぼうっとした状態でほとんど話せなかったとのことだったので連絡を控えていました。手術翌日、自分も昼間はバタバタしていて夜メールしたのですが、翌日になっても連絡は来ず、一応既読にはなっているものの返信はできないようで心配していました。

手術後も連日お見舞いに行っていた叔父からは、かなり辛そうでしゃべるのも難しいみたいだと電話で聞きました。術後2日めの時点で陣痛がずっと続いているような痛みと言っていたのが手術後の痛みの壮絶さを物語っています。

 

ようやく来た母からのメールには、夜中痛みで何度も目が覚めてしまいつらいといったことが書かれていました。手術後一週間が経ち、痛みは日を追うごとに少しずつよくはなったようですが、昼間は調子がよくても夜はやはり痛みがきつい日が続いていたようです。

 

一方、意外だったのが食事のことです。手術後3日めからはもう食事を食べ始めたそうで、6日め頃に送られてきた食事の写真はごはんがおかゆなのと量が少ないこと意外は普通の食事と変わらないようでした。

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また、手術後2日後くらいのまだ麻酔も多少残っていてふらふらするような状態でもなるべく動くようにと言われたそうです。母は元々動いている方が好きなたちで、この時も痛みがあってもがんばって院内を歩いていたようです。

 

手術後初めて電話で話したのが術後5日め。母の声は結構元気そうでいつもと変わらない感じに聞こえました。当初の様子を父や叔父から聞いたりメールだけでしか様子がわからず心配していたのですが、術後の経過がよかったため、明後日、つまり術後7日めに栄養指導が入るので退院が早まるかもしれないということでした。栄養指導が入ると退院ももう間近とのことです。そして退院のスケジュールが決まりましたが、退院は術後9日め。入院期間は短くて手術後2週間と言われていたのになんとそれより5日も早く退院することになったのです。これは嬉しい誤算です。病院で面倒見てもらってゆっくりしていればいいのにという人もいましたが、動いている方が性に合っている母にとっては許されるなら早く退院するほうがいいだろうと私には思えました。

 

筋肉量が多く基礎代謝の高い母は、病院で出される食事が物足りないのでおかゆを普通のごはんに変えてもらえるよう頼んで、医師の許可も出たのでごはんにしてもらったそうです。その方がゆっくり噛んで満足感も得られるからと。

 

母は日頃から自分の体とよく向き合っており、何をしたらどのような反応があるのか、この痛みが何の原因によるものかというのをよく理解していました。お腹が痛いと言っても術後の傷の痛みでなく牛乳を飲んだらガスが溜まりすぎたとか、背中が痛いのは横になっている時間が長いから凝り始めているからだとか。

 

胃の摘出手術後も、私は当初は離乳食のようなどろどろのものから始めたり、避けたほうが良い食材があったりと考えていたのですが、それは確かにある程度目安というかベースとなるものはあるのですが、基本的には食べてはならないものというのはないそうです。大事なのは今の自分の体がその食べ物を受け入れられるのか、きちんと自分の体の声を聴くこと。自分の体の声をよく聴いた上で母は手術後一週間という短い時間で、医師の許可も得た上でおかゆを辞めることができました。胃がんという重い病気になり、胃全摘出という大きな手術を受けた後も、このように日頃から自分の体をよく知っておくことによって良い経過を送ることができるのだなと感じました。