がんの心理療法サイモントン療法の検討 あるいは私がストレス気質を変えてきた道のり
がんの心理療法として様々な本やサイトでその名を目にしたサイモントン療法についての本を読んでみました。
サイモントン療法――治癒に導くがんのイメージ療法(DO BOOKS)
- 作者: 川畑伸子
- 出版社/メーカー: 同文舘出版
- 発売日: 2009/08/06
- メディア: 単行本
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この本の概要、印象に残った点の概要をまとめます。
- がんは「痛みや苦しみを与える攻撃者」ではなく、その人が本来あるべき生き方から離れてしまっているということを教えてくれるメッセンジャー
- 心に喜びを与えてくれるもののリストを作る
- ある出来事や人に対する否定的な思い込みを健全な解釈に書き換える
- がんは本質的に弱くて不安定な細胞
- 「治療ががんだけにきちんと作用し、正常細胞は傷つけない」というイメージを描いて治療効果を高める
- 自分自身と癌、治療のイメージを健全化していく
- 死のイメージを健全なものにする
- 患者をサポートする人との関係を適切なものにする
- 二年間の健康プランを作る
私がストレス気質を改善した方法
これは母ではなく私自身のことですが、私は子供の頃かなりストレスを感じやすい気質でした。しょっちゅう爪をかんだり動悸がしたり頭や胃が痛くなったりと今考えるとストレス由来で体調をおかしくしていることが多々ありました。
思春期の頃には学校での人間関係の問題もあって、もう誰も信用できない、自分がしゃべったりしたことがどのように受け取られるかわからないし、一度発した言葉はどこまで伝わるかわからないと極度の人間不信に陥り、必要なこと以外はほとんどしゃべらないかなり無口な女子中高生でした。
この頃私は常に最悪の自体を想定して発言行動するという、この平和な日本にありながらどんな危険な世界に生きてるんだという生き方をしていました。こうなるともうただ普通に学生生活を送ってるだけなのにほとんど毎日が地獄です。
また中3の時には元気だったまだ5歳の飼い犬が突然亡くなってしまったり、その後いくらも経たないうちに他にも親しい人との突然の別れがあり、私も明日急に死ぬかもしれない、大切な誰かにも突然会えなくなるかもしれないという思いにとらわれました。
このことは私にとっては非常に悲しい経験でしたが、明日にでも死ぬかもしれないという思いはやがて明日死んでも後悔しない生き方をしようというように転化していきました。
地獄の中学時代が終わり、高校は私にとって良い環境の変化になりました。
私の行っていた高校は単位制の普通科で、言ってみれば小規模な大学のような感じの高校でした。しかも個性化コースとかいうコースだったので自分の個性を伸ばしたい人、自分の好きなように生きたい人ばかりがいる学校でした。
そういう人たちって別の視点で見ると他人への関心が薄いんですよね。自分が一番なので。中学でドロドロの人間関係を見ていた私にとってこれは非常に気が楽で良かったです。
また国際系のコースもあり、帰国子女がたくさんいたのも良い影響がありました。
彼らは何かというとすぐにありがとうと言うのです。これは些細な事なのですが当時の私には結構驚きでそれだけで気持ちが明るくなったので、私もそれまでならすみませんとかごめんなさいと言っていたところをありがとうに言い換えるようにしてみました。
この自由な高校でのびのびと過ごしたことによって私のストレス体質的な考え方はかなり改善しました。
かつて毎日に地獄をもたらすだけだった常に最悪を想定して行動するというのも、これをやりすぎた結果一周回って前向きになって、事前にいくら心配したところで結果が想定通りのことなんかあまりないから将来のことを心配するだけエネルギーの無駄という考えに至りました。
今の私は昔の私からしたら嘘のようにストレスを溜めにくい性格になり、たぶんそのおかげもあって体もすごく丈夫になりました。体調を崩すのは明らかに疲労が溜まってしまったあとくらいですね。
今の私の生き方を簡単にまとめてみるとこんな感じです。
- やりたいことだけやる。やりたくないことはやらない
- 会いたいと思った人に会いたいと思った時にすぐに会う
- なるべくありがとうと心がけて言う
- 未来の心配はしない(いろいろな場合のことを想定はしますが)
- あるがままのその人その人の行いを受け入れる(自分のことさえ100%は制御できないのだから他人の行動や言動が期待通りのものになるはずがないと思う)
細かいことはもう少しありそうですが、要点で考えるとこんなもんですね、意外と少ないです。
文にしてしまうと単純なことなんですけど、本当に何も意識せずに自然にこれができるようになるにはたぶん足かけ10年以上かかったと思います。
特に1、やりたいことしかやらないとかそんな話ありえないだろと思う人もたくさんいそうですよね。まあもちろん嫌いだけどやらないきゃいけない雑事は多少はありますけど、可能なんですよねこれが。
子どもが生まれたあとは1と2が物理的に不可能になったので一時本来の自分を失って精神的に調子を崩した時期もありました。でも、自分のベストの精神状態がどういう時であるか知っているので、精神状況を悪くしている理由と改善する術を考えることはできます。
上に書いた高校での経験以降も心理学の本を読みまくったり、自分を変えるために多くの挑戦をしてきました。
自分でできる自分を変えるためのアプローチはかなり色々やってきたと思うのですが、最終的に本当に私の心を落ち着かせたのは夫の存在でした。
20代前半にはかなりの部分で心理的な問題を解消していた私でしたが、月に1度くらいホルモンバランスの崩れる時期にだけどうしても、何ら外的な理由がないにも関わらず鬱状態に入って動けなくなってしまう日がありました。
しかし夫と出会って、この人はだめな部分も含めて100%私を受け入れてくれるという確信できてからはこの月に一度の鬱状態の日も訪れなくなったのです。
心の支えになってくれる人の存在の大きさを私はこのことでしみじみ感じました。
母の心に平安をもたらすために
私は自分がこのような経緯でストレス気質を改善してきたものですから、母の日頃の様子から本人が意識してない中にストレスの原因になるような考え方が多々あることにすぐに気がつきました。
それでつい色々そのことについて言ってしまうのですが、いかんせん話すのが苦手だし伝えるのが下手なようで、思いをうまく母に伝えることができません。
うまく伝えられないどころか指摘することがかえって母にとってストレスになってしまいもします。
私はストレス気質を変えてきた実践者ではありますが、カウンセラーではありません。相手を傷つけることなく物事の捉え方を変えることの手助けをしてくれるような良いカウンセラーの方と話してもらうほうが良いのではないかと思っています。
また私はいわば自己流で自己改革をしてきましたが、試行錯誤しながらでかなりの年数を必要としてしまったので、考え方を変えるプロに誘導してもらいある程度道しるべを示してもらいながら行うほうが短期間でできるのではないかという気がしています。
そして私たち家族は母が自然に生きられるように考え方や生活を変えていくためにどんな変化も受け入れるよと、母の心の支えになれたら良いなと思います。
サイモントン療法の本
ひとまず母にこのサイモントン療法――治癒に導くがんのイメージ療法(DO BOOKS)の本は渡してみようと思います。この本はサイモントン療法を日本に広めた川畑伸子さんという方が書かれていますが、サイモントン療法の開発者であるカール・サイモントン博士ご本人が書かれた以下の本も読んでみたいと思います。
- 作者: O.カールサイモントン,リードヘンソン,O.Carl Simonton,Reid Henson,堀雅明
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 1994/09
- メディア: 単行本
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ちなみに川畑伸子さんのHPを見てちょっと違和感を感じたのですが、関連する話題でこんなブログ記事も。
川畑伸子さん自身はメインはカウンセリングではなくセミナーや宣伝活動を行いたい人なのかなとなんとなく思ったり。
そんなこともあり、サイモントン療法の本質をより知るためにもカール・サイモントン氏ご本人の本を読んでみるべきだと思ってます。
サイモントン療法協会のやっている6日間ベーシックプログラムも気になりますが、値段がかなり高額なのがちょっと。
一方カウンセラー探しも難航しています。カウンセリングというのが行う個人の技量によるところが大きいのは想像に難くないので、良いカウンセラーをどう探したらいいものか。心の問題はデリケートなので難しいですね。