56歳 胃がんと闘う母の記録

胃がんで胃を全摘出した母の闘病記

がん研有明病院を離れて 早期からの緩和ケアのすすめと聡哲鍼灸院のこと

母は現在骨転移による首すじ、胸、腰、背中などの痛みがこの1、2週間で急激にひどくなり、また胸水などの原因による息苦しさもあり、昼間もほとんどまともに活動ができず夜も1、2時間おきに目が冷めてしまうなどとてもかわいそうな状況で家族としてもこの痛みと息苦しさをなんとかしたいと思っていました。

 

がん研有明病院を離れる

抗がん剤放射線治療はもうしないと決めたので、がん研有明病院まで遠路はるばる行く必要はもうないと判断し7月いっぱいでがん研有明病院を離れました。

母は放射線治療の時には本人が入院を嫌がったため通院で毎日、最近では1、2週間に一度のペースで電車で2時間以上かかる有明まで通っていました。

がん研有明に通い始めた当初はこれほどの頻度で病院に通わなければならないとは考えていませんでした。

がんによるつらい症状が出ている中ではこの距離は厳しいです。

また毎週のように検査が行われ、血液検査やレントゲンの結果で悪くなっているものがあれば落ち込み、抗がん剤放射線はもう受けたくないのに今の数値であればそれらの治療を受けないと悪化を防げないということを言われて落ち込みと、母は病院に行くたびに元気をなくして帰ってきました。

 

7月末には完全に鬱のような症状が出ており父も私もこれはまずいと思いました。

一日で身体の状態がそれほど変化するはずがないのに、病院に行く前と行った後ではまったく様子が違ってしまっていたのです。

これではがんによってではなく、心を傷つけられてそれによって身体もダメージを受けて死んでしまうと思いました。

これはもう限界だと思い、有明に行くのはもうやめようよと言いました。

医師とは何のためにいるのでしょうか?

病気を治すのではなく患者を傷つける言葉を投げるだけの医師ならばいない方がマシです。

 

緩和ケア科へ

がん研有明病院を離れたら、今度の病院は神奈川県内で通いやすいところにしたいと思いました。しかし標準治療を望んでいないと、県内のがんセンターなどは受け入れをしてくれません。

今はこの疼痛のコントロール心理的なケアが最重要なので緩和ケア科にかかる方が良いと考えました。

 

緩和ケア、ホスピスというと日本では終末(ターミナル)ケアと考えられがちですが、痛み止めや抗がん剤放射線の副作用への薬の処方はこちらの方が専門なので変に身構えずに早期から利用したほうがいいと思います。

 

またがんセンターなどでは標準治療を受けないとなると非難されるようなことを言われたり食事療法や免疫療法などはバカににするような発言をされることさえありますが、緩和ケア科では標準治療が効かなくなった患者さんも多いため代替療法や自然療法も患者本人が良いと思うならご自由にやってくださいといったスタンスのところも結構あるという話を見かけたため、それも私たちが緩和ケア科を訪れる後押しになりました。

 

日野原記念ピースハウス病院

私たちが行ったのは東名秦野中井インターからすぐそばの日野原記念ピースハウス病院という緩和ケア専門の病院です。

日野原記念ピースハウス病院(独立型ホスピス)ウェブサイト

HPを見ると素敵な写真が載っていますが、こちらは普通の病院とは全く違って高原のペンションのような雰囲気です。

 

疼痛があまりにひどかったため、予約日を一日早めて受診させていただきましたが、診療にあたってくださった院長先生は初診で2時間近くも時間を取ってこれまでの経緯や今の症状などの話を聞いてくださいました。大きな病院ではこういったことは難しいでしょう。

こちらの病院でどこまでのことができるのかHPからはわからなかったのですが、母は外来診療のため基本は痛め止めの調整のみになりそうです。

先日私がかなりがんばって色々な話をして精神がどん底の状態からは脱していましたが、痛みと息苦しさのせいでかなり不安感に襲われていましたから心理的なケアを行ってもらえればという期待も少しあったのですが、外来ではそういったことは行っていないようです。

痛み止めの処方以外のことは主にボランティアの手によって行われているようで、入院の患者さんはタイミングが良ければマッサージやその他のセラピーなども受けられそうです。

でも、鍼灸や漢方などの他の治療もご本人が望むならばどうぞ、ただ何かやったならば教えてくれるとありがたいですねえといった対応だったので、こちらの良いと思ってやっていることを否定されたりすることはなくて良かったです。

血液検査はやりたい場合は外注で出すので結果は1〜数日後に来るそうです。

レントゲンがいらなければこちら一本で良いのですが、検査のために有明の前に行っていた病院にも通うかはまだ検討中です。

 

自然療法の聡哲鍼灸院へ

緩和ケア病院では母の骨転移による痛みを抑える方法が痛み止めを増やす以外になかったため、痛みを抑えるために他のあらゆる手段を探したいと思った私たちは自由が丘にある聡哲鍼灸院というがん治療のお手伝いを専門になさっている鍼灸院に伺いました。

ここは以前から気になっていたのですが、父がこういうのはちょっと胡散臭いとか思いそうかなあと思ったりしてなかなか行けませんでした。

でももう状況が状況で後がないので、ここも行ってみようよと父に言うと、明日さっそく行こうと父の方から言ってくれました。

 

結論から言うと…期待以上に非常に良かったです…!

たくさんの良いお話が聞けて、痛みもいつもより何時間も出るのが遅くなったし、何より治らない治らないとずっと言われ続けてきた母に治るよという言葉をくれて勇気づけてくれました。

聡哲鍼灸院で得られたことはまた別記事に書きたいと思います。

Never Give Up!